はこりむ

げーむといらすとのかりすまうぇぶさいと

聖竜伝

いつの間にか新シリーズ始まってたんですね。作者お前それよりメルヴィ&カシムとリジィオをなんとかしろと言いたい気持ちをこらえつつ、読んでみました。以前カイルロッドを読み直したときも感じたことですが、冴木忍は文章そのものはあまり上手くないように思います。あと台詞回しの微妙なところが多々あり、ちょっと引っかかりますね。作者の真価は読者にトラウマを植え付けることにあると割り切ってしまえば別にいいですが。
今回の主人公たちは熱血漢のシン、美形担当ラトキス、少女ファナという組み合わせ。年齢はそれぞれ15、16、10歳です。うへぇ、若いなぁ。素直に楽しめるかちょっと心配になってきました(;´Д`)


冒頭はシンとラトキスが早速盗賊たちとドンパチやっているところから始まります。というかシン君、15歳にしてはなんだか強すぎな気が……。

(どんなもんだ)
短剣についた血を拭い、シンは得意気に唇の端を上げた。五人の小規模盗賊など、恐れることはない。

まじっすかΣ(゜Д゜;) いや、盗賊ったって5人の大人ですよ。それと後々の記述でわかることですが、どうやらこのシン君「悪人に人権はない」と言わんばかりに相当な人殺しをなさってる模様。しかしそれでも物語の立場上は正義感の強い少年であり、このあたり読者としては矛盾を感じるところではあるのですが、その指摘はラトキスもシンに対して行っているのでよしとしましょう。
そのシンの正義感ぶりが遺憾なく発揮されるのが、奴隷商人に捕われているファナを助ける場面。ファナはたまたま見かけただけなのですが、「子供が酷い目にあうのは、嫌なんだ」との理由で、女奴隷が監禁されている部屋にその姿を探します。

促したが、女達は動こうとしない。それどころか部屋の中まで逃げ込む女までいる。
(ったく、勝手にしろ)
目的は少女の救出であって、他の女達はついでだ。

なぜそこまで何の関係もないファナに必死になるのかと訝らざるをえません。ま、まさか炉利魂((((( ;゜Д゜)))))
というかファナの年齢設定が低すぎるんですよ、ほんとに。おまけに口がきけないとかいう設定で、何ですかこれは萌え要素ですか、と。


ラトキスについて触れてませんでしたね。比較的早い段階で作者恒例のトラウマ話をにおわせてくれます。

(なんであんなに冷静なんだ? 母ちゃんの形見をなくしちまったのに)
シンにはまるでわからない。ただ時々、ラトキスは家族を憎んでいたのではないかと思うことがある。

トラウマキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!!
まあ、読んでみると内容自体はそれほど大したことないんですけどね。せいぜい母親に肉体関係を迫られたくらいでまだまだ。母親に対するトラウマといったらやっぱり幻十郎先生ですよ殺ス!


全体的に主人公たちに感情移入するのが難しい気がします。印象的なエピソードがひとつ。とある街で荷馬車から貴重な石をパクったんですね。当然、奪われたことに腹を立てた商人が一行を追ってきたことから、もみ合いに発展します。おれとしてはむしろ商人に同情してしまうのですが、とうとう商人に短剣を突きつけるシンとそれを制止するラトキス――

「やめろ、シン」
「なんで? こいつはな、石を取り戻すために、おれの腕ごと取ろうとしたんだぜ」
殺すのはかまわないが、ファナの前では殺すな
「くそっ」
シンは渋々剣を引いた。どうやらファナの見えないところで殺すしかなさそうだ。

工エエェェ(´д`)ェェエエ工


さらに暴走は続きます。終盤、竜の子供を謎の青年メドースと奪い合う場面でのことです。シンは夜の裏路地で短剣を片手にメドースと対峙します。実はこの短剣、そこらへんの瓦礫なら豆腐のように斬れるという危険な代物。老朽化した建造物も例外ではありません。青年に攻撃を巧みにかわされながら、あちこちの柱や壁に傷をつけていくシン。徐々に広がる亀裂とあたりに響く不気味な音、そして――

「きゃー!」
「家が! 助けてくれ!」

……(;´Д`)
その様子を見たシンが一言。

「壊すつもりなんかなかったんだ。それもこれも、メドースの野郎が逃げ回るから」

もうだめぽorz