スレイヤーズ
なんとなく語ってみます。知る人ぞ知る神坂一のデビュー作です。いま考えるとストーリーに荒っぽいところが目立ったり、基本的に展開がワンパターンという問題はあるのですが、それでも過去に多くの人に支持されたのは強烈なキャラ設計があったからにほかなりません。豪快な魔法少女がなんていまでは掃いて捨てるほど漫画やアニメで目にすることができると思いますが、それでも山1つを吹っ飛ばすスケールとパワーを持っていたという点で、ラノベが隆盛し始めた当時としては画期的だったんでしょう。
たしか旅の仲間が前半はアメリア&ゼルガディス、後半はルーク&ミリーナと分けられていましたが、後半はキャラが立っていないのが不満だった記憶があります。当時はリアルタイムで文庫本を買っていましたから、ラノベ自体から離れていったこととも関係しているのかもしれませんけど。
それと本編「スレイヤーズ」と短編読切の「スレイヤーズすぺしゃる」では見事にシリアスとギャグの境界線が出来ており、人によってはいびつな印象を受けるかもしれません。大魔法ぶっ放しに終わらず深みを与えるつもりになればできる作品だけに、難しいところ。アニメ版のスレイヤーズTRYはそこらへんのバランスがよく取れていた気がします。あれは話の中心にサブキャラであるヴァルガーブを持ってきたのが上手かったですね。やはり目立つサブキャラが入ると物語も違って見えます。