はこりむ

げーむといらすとのかりすまうぇぶさいと

ワイルドアームズアルターコード:F感想

クリアしました。正直、底が浅いと言わざるをえないゲームだと思います。


ストーリーは王道そのもので、荒廃していく大地ファルガイアが舞台となっています。この世界を危機から救うことを通じて、主人公たち3人(ロディ、ザック、セシリア)が成長していくというのが物語の主軸。なのですが、おれがまず不満だったのは主人公たちのキャラがあまりに薄いということでした。ストーリー中、おそらくキャラに深みを与えるためでしょうが、ロディには忌まわしきARMの力、ザックにはエルミナとの関係、セシリアには公女としての務め、といったいわゆる「影」の部分が設定されています。が、この「影」設定はキャラメイキングとしてはあまりにも不十分でした。ストーリー全体を通してみても、その人がどういうキャラなのかがいまいち見えてこないんですね。早い話が平板なんです。それは、ひいては物語に感情移入しづらい原因ともなるのですが、これに安っぽい演出と冗長な説明ゼリフが加わって、どうも萎えました。また敵の大将たちの設定がほとんど語られなかったのも、非常に残念です。ザックに関しても、主人公を諭すような最強親父を期待していたのですが、ヘタレだし攻撃力ないしでおれとしては大いに悔やまれました。


次にシステムですが、これも物足りなさはぬぐいきれません。戦闘はよくあるコマンド選択式のやつなのですが、演出が長いというよりもテンポが悪いために、ややもすれば退屈な単純作業になりかねない危険性をはらんでいます(戦闘速度は「速め」に設定してプレイしたのですけれど)。装備品の概念がないのは、強敵対策の選択肢を減らしているという点でどうかと思います。それとフィールド上で回復魔法が使えない、キャラのHPを補給するVITなど、なぜ?と首を傾げたくなるシステムが多く、ここらへんもマイナス要因。さらに言えば、敵とのエンカウントを任意に回避できるマイグラントバッジ、フィールド上の街やダンジョンを発見するサーチシステムなども、過去の2、3のシステムをよく吟味もせずに無理矢理詰め込んだという印象を与えるだけでした。シリーズの特色らしいダンジョンの謎解きもいたって普通。


総合してストーリーにもっと深みがほしかったですね。とりあえず「愛の奇跡」とかいう文句が嫌いな人は要注意です。実際、セシリアの技で出てきますんで(笑