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サガフロンティア、レビュー

サガ フロンティア PS one Books

サガ フロンティア PS one Books

サガ(GB)→ロマサガSFC)と続き、ハードをPSに乗り換え、満を持して登場となったサガフロ。しかしそこにロマサガの面影を認めることは困難です。まったく新しいシリーズとして生まれ変わる――開発者のそんな意気込みを伝えて余りある本作ですが、その試みが果たして功を奏したかというと正直微妙。
サガフロは従来ロマサガにて連綿と受け継がれてきた剣と魔法のいわゆるファンタジー世界をばっさり切り捨てることから始まりました。これは仲間になるキャラの種族からも明らかですが、ヒューマン、妖魔、メカ、モンスターと、まさに”ごった煮”の様相を呈しています。移動手段の乗り物がなんだかスペースシャトルみたいになっている一方で、隣では幻想的な針の城がそびえ立っていたり日本式の古城があったりお菓子の国があったりと、もはや何でもあり状態。それが本作の魅力でもあるのですが、しかし逆にそこから何が生まれているのかと問うと、頭を抱えざるを得ないのも事実です。ごった煮ではあるけれど裏を返せばそれだけ、と。この点、おれはあまりなじめませんでした。
戦闘は楽しくていい感じ。さくさくとコマンドを選んで連携技をバシバシ決めるのは爽快の一言です。敵が弱すぎて緊張感がないのは残念ですが、ボス戦になるとカッコいい音楽も流れるので燃えます(オススメは”時の君”戦。オーヴァドライブ→カオスストリーム→カオスストリーム……は最高にイカしますね。バッティングポーズもポイント高し)。
細かなシステム周り(武器が1種類しかないよーとかパーティ15人は多すぎだろーとか)については改善の余地があるかと(汗
主人公を8人の中から選ぶシステムは継承されています。おれがクリアしたのはブルー編とアセルス編(レッド編も評判いいようです)。各キャラ、ストーリーも違えば当然ラスボスも異なります。慣れてくれば数時間でクリアできてしまうところは、”小品”としてのサガフロを強く印象づけました。
いまさらですが、アセルス編のシナリオは百合モノだったんですね。ジーナ→アセルス→白薔薇、みたいな。初めてプレイしたときは「なんじゃこりゃ!?」と衝撃を受けたのを記憶しています。アセルス編は出だしからしてロマンチックでとても好きでした。開始30分で最強剣が手に入るのも(笑

私はジーナ。
この仕立て屋の親方のもとで
お針子として奉公を始めて三年目となります。

最初はこの陰鬱な感じの「根っ子の町」が
嫌で堪らなかったのですが、もう慣れました。

私たちの頭を押さえつけるように
町の上に聳え立つ「針の城」の事も
気にならなくなりました。

何の楽しみもない町でこの屋根裏だけが
私の気を紛らわしてくれる場所です。

ここは大切な衣装がしまわれています。
お城からの注文で、あるお方のために
毎年、新しい服を仕立てているのです。
もう数十着になります。

先輩達は”お城の若様の衣装だ”と噂してました。
その若様はもう何年も
眠り続けているのだと言います。

私の胸の中にも
まだ見ぬ方への思いがふくらんでいました。
明日にでも御目覚めになればよいのにと。

私は知らなかったのです。
その方がどんな運命を背負っているのかを。