はこりむ

げーむといらすとのかりすまうぇぶさいと

ビートたけしの恋愛小説

前から気になっていたビートたけしの小説を読みました。

アナログ

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文章が必ずしもこなれていなかったり、言い回しが妙に古臭かったりするけど、逆にもったいぶった装飾した文章にはなってないので、その意味ではテンポよく読めました。会話文はたけしの漫談そのままですね。ソープやらデリヘルといった言葉も出てきます。というかデリヘルは本物が物語に出てきます。それでいて、物語の本流(主人公の仕事とかヒロインの趣味)がクラシック音楽とか建築デザインの話だったりするので、俗っぽいんだか高尚なんだか、高尚になろうとしてそれにたどり着けない俗っぽさなのか、作者の個性を文章から感じずにはいられません。

話の構成は悪くないです。もっとドラマチックな展開にできたかもしれませんが、最後の方は疾走感もあり、一気に読むことができました。展開的に、おいおいそれでいいのかと突っ込みたくなる気持ちもありました…。欲を言えば、やはりもうすこし洗練された文章と自然な会話を読みたかったかな。恋愛小説だったら、愛だの好きだのといった表現は使わないほうがいいし、ヒロインの描写もちょっと淡白でしたね。