はこりむ

げーむといらすとのかりすまうぇぶさいと

ドラクエ8感想の補足

肝心のテンションシステムについて触れるのを忘れていました。これまで大幅な変更がほとんどなかったドラクエの戦闘システムにとって、まさに挑戦ともいうべきものでしょう。で、この新システムなんですが、単刀直入に言いますと糞でしたorz これはさすがにフォローできません(笑


ご存知の向きも多いとは思いますが、このシステムは戦闘中に「ためる」コマンドを選択することにより、次ターンにおける攻撃力を上げるというものです。Ⅴでいう「ちからため」や「きあいため」と異なるところは、「ためる」を何回も重ねられるところと、打撃のみならず呪文や特技の威力も上昇させるところでしょう。5回ためるとスーパーハイテンションというモードになり、この状態で「ギガブレイク」などの強力な特技を放てば、4桁のダメージも十分狙えるようになります。


では、一体何がまずかったのでしょうか。まず念頭に置くべきなのは、ドラクエの戦闘は純粋なターン制だということです。ターン制において「ためる」という行為は、わりと苦痛なものです。その間は敵に殴られっぱなしですし、戦闘のリズムを乱します。キャラのテンションが上がる以前に、プレイヤー自身のテンションが下がってしまいます。


そして致命的な問題点は、「ためる」ことによる利点がすくないということです。1回ためて1回攻撃するくらいなら、与えるダメージもそれほど変わらないので2回攻撃したほうがはるかにましです。攻撃力の上昇という観点から見れば、スーパーハイテンションになって初めて意味をなすシステムといってしまってもいいでしょう。しかし、これもボス戦での話。ザコ戦なんかは1ターン目になるべく敵の数を減らしておくのが基本戦法ですから、なおさらテンションを上げる必要はありません。つまりこのシステム、ほとんど使いません。


なんとかボス戦にだけでも活路を見出したいところですが、これも非常に使いどころが難しいものとなっています。今回のボスはわりと強敵ぞろいで、「おたけび」(敵全体が1ターン行動不可)や「あやしいひとみ」(敵1体を眠り状態に。回避不可)を使うことが多々あります。で、仮にスーパーハイテンションになった後にこれらをくらうと、当然のごとくテンションがもとに戻ります。それも豪快なことに、一気にMAXからゼロになってしまいます。このときのやるせなさは計り知れません。というかあんまりです。さらに、後半のボスになると「いてつく波動」がもはや標準装備なのですが、なんとこの「いてつく波動」をくらうだけでもテンションがゼロになるという、非常に愉快な仕様になっています。つまり、ボス戦でも使えません。もっと前提部分を突っつくと、そもそもボスの攻撃が激しいのでテンションを上げる暇など皆無です。回復役のククールは当然無理、ゼシカフバーハマジックバリアバイキルトピオリムで忙しい。主人公もいざというときの回復要員として残しておきたい――ということで、難しい条件をかいくぐっても結局テンションをためられるのはヤンガスぐらいなのでした。めでたしめでたし。


ちなみに、意識的にテンションを上げてくるボスや雑魚モンスターもいます。「なるほど、テンションシステムは敵が使うものだったんだ!」と悟って、なんとかして敵のテンションを下げる、もしくは上げさせないところに新たな戦略性が生まれるものかと思われましたが、そもそもテンションを高めてくるモンスターがそれほどいないばかりか、敵のテンションを下げるククールの特技「皮肉な笑い」がまじで使えないので、終了。


瀕死になった回数に応じてテンションが上がっていくとかにしたほうがまだマシだった気がします。それと一応、味方全員のテンションを上げる「ふしぎなタンバリン」なる便利道具もあるのですが、製造方法がわかるのはクリア後ということでやっぱり終了。次回作での奮起を期待します。